ヘルニアとは脊柱管内に突出した椎間板により神経が圧迫されて神経症状などを引き起こす疾患のことです。
ヘルニアには頚椎椎間板ヘルニアと腰椎椎間板ヘルニアに別れます。
そこから更に、
脱出型:椎間板が完全に飛び出しているもの
膨隆型:椎間板が飛び出さずに膨れているもの
に別れます
1)頚椎椎間板ヘルニア
頸椎椎間板ヘルニアには更に
①頚椎症性神経根炎(後側方ヘルニア)
ヘルニアが斜め後ろに飛び出て左右どちらかの上肢にしびれなどの症状を出すもの。
②頚椎症性脊髄症
ヘルニアが真後ろにでて中枢神経である脊髄が圧迫されるので手に限らず足まで症状がでるもの。
の2つがあります。
好発部位は頭蓋骨を支えるのに最も負担が強いられるところであるC5-6、C6-7の頚椎で多く発生します。好発年齢は30代~50代が発症のピークとされています。
2)腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは40歳代に好発するが10~20歳代の若年者から高齢者まで幅広く発症します。
原因としては骨の老化、繰り返し行われる動作(スポーツなど)、姿勢の悪さからくる骨への余分な荷重などです。
頚椎椎間板ヘルニアの症状では頸部の痛み、運動障害、肩のこりなどの軽度な症状から始まり、次第に頭部を後ろに上げると肩甲骨や腕に走る痛み、腕から指にかけてのしびれ感を訴えるようになります。更に症状が進行すると、字が書きづらい、ものが掴みにくい、ボタンの付け外しが困難になる、腕や指に力が入らないなどの症状もでてきます。重症になると足が突っ張って歩きにくい、尿や便の出具合が悪いなどの症状も出現します。
腰椎椎間板ヘルニアの症状は主に腰痛症か下肢の神経症状が主流になります。立位、短時間の座位、30分異常の歩行が辛いなどの症状がでてきます。更に前かがみの姿勢で痛みが強くなる、下肢の一部に触っても感覚が鈍い、冷感、脱力感、尿や便の出具合が悪いなどの症状もでてきます。
当院では頚椎ヘルニア、腰椎ヘルニアに対して鍼灸治療では原因となる部分への痛みを緩和、筋の異常緊張を取り除く治療法と原因箇所以外の症状の消失、緩和を同時に行なっております。